変形性膝関節症の方が高い確率で使用されているのが、膝のサポーター。
臨床でもよく「このサポーターはどうですか?」と質問をいただきますので、
今回はサポーターは変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)に効果があるのか?とサポーターをつける際の注意点についてお伝えします。
この記事の目次
変形性膝関節症にサポーターは効果があるのか?
こんにちは。泉大津市にある谷下鍼灸整骨院・整体院の院長の谷下浩司です。
冒頭でもお伝えしましたが、変形性膝関節症でサポーターをされている方は多いです。
その中でも、もちろん効果がある!という方もいれば効果がない!
と思われている方もおられると思いますが、
効果の有無は【目的】により意味が変わりますので、目的別に解説していきます。
膝を温めるという目的
よくスーパーマーケットやエアコンで冷えるのでサポーターをしている。
という方がおられます。
この時のサポーターは締め付けも少なく、膝を覆う程度の強度で保温を目的としたサポーターになります。
確かに関節の周りは筋肉の房が少なく、腱や靭帯などが多い為、冷えると痛みを感じやすいので、保温目的でサポーターをされる方は効果ありといえます。
この時に固定力が強いサポーターは締め付けにより逆効果になる事もありますので、緩いサポーターをおすすめします。
膝を固定するという目的
長い時間歩いたりする時に膝が不安だからと固定力のあるサポーターをされる方の場合。
確かに膝の周りをサポーターで覆うと膝は安定感が増します。
ある程度の距離まではサポーターをしている方が楽だ。という事もありますので、一定の効果は期待出来ます。
しかし、サポーターをして膝を固定した状態は、身体全体の連動性を妨げるという事にもなります。
膝が固定されている分、他の関節に負担をかけるというリスクもあります。
膝は楽だけど、股関節や腰が痛い、肩が凝るなどの症状が出る可能性があります。
なので、外出中ずっと着けるのではなく、不安な所だけサポーターをはめるという使い方であれば、身体全体への負担も最小限にする事が可能です。
膝を治すという目的
整形外科などでサポーターを処方されると、サポーターは治すために着けているという意識の方もおられるかと思います。
しかし、あくまでもサポーターはその場しのぎの道具でしかありません。
中には四六時中、サポーターをされている方もおられますが、サポーターの固定力に頼ってしまうと、自身で膝を安定させる為の筋肉が衰えてしまう可能性があります。
痛みのある状態で筋力低下が起こると、再び筋力をつけるのは大変になりますので、サポーターを四六時中着けている方は要注意です。
サポーターはあくまでもその場しのぎの道具。として使う分には効果がありますが、根本的に治すためにはサポーターは効果的ではありません。
以上が目的別のサポーターの有効性になります。
何のために着けているのかを明確にすることで、サポーターも有効活用することが可能ですので、ご自身は何のためにサポーターを着けているのか?を意識しながら使用することが改善への第一歩となります。
次にサポーターを使用する際の注意点についてお伝えします。
サポーターをする際の注意点
先ほど説明させていただいたようにサポーターは有効に使用しないと逆効果になる事がありますので、その注意点についてお伝えします。
サポーターに依存しない事
サポーターを一度着けると、サポーターの圧迫感や固定感が安心をあたえる為、いつまでもサポーターに依存してしまいがちになる事が多いです。
また、サポーターをつけている事で常に膝を意識してしまう事で、それ程痛みがなくても庇った様な歩き方のクセがつく事があります。
歩く時に膝を意識し過ぎて、手を振らずにペンギンの様な歩き方になってしまう方や、変に痛む反対側に体重を掛けながら歩いてしまったり、と一度癖になってしまうとご自身でも無意識のうちにしてしまっているので、人から言われたりしない限り気づけません。
膝をかばいながら歩く事で、
膝をかばう→他の場所に負担が掛かる→膝に負担が掛かる→他の場所に…
のように悪循環を繰り返してしまいます。
また、ほとんどの方が、サポーターは着けていれば良いと思って着けている場合が多い為、悪循環に気づかず、いつまでも治らない…と悩み続けています。
まとめ
今回の内容をまとめると
- サポーターは目的によって使い分けると有効
- 保温には固定力が弱いものを
- お出かけで不安な時は少し固定力があるものを
- サポーターを四六時中つけるのは良くない
- サポーターあくまでもサポーター。治す為のものではない
- サポーター依存には注意が必要
以上になります。
ただ、サポーターで手に負えない場合はプロである整体師などに身体の状態を診てもらいましょう。
当院は変形性膝関節症を専門としている鍼灸整骨院・整体院です。
変形性膝関節症と診断され、本気で改善したい方は、ぜひ当院のホームページをご覧下さい。
膝の痛み、変形性膝関節症